digital

代表挨拶 GREETING

近年、国内全体でDX(デジタル・トランスフォーメーション)というワードがトレンドになっています。
DXとは、データとデジタル技術を活用して、業務そのものや事業構造の変革を図るというものです。
政府はデジタル庁を新設してデジタル社会の形成を推進しており、我々「建設業界」においても国土交通省が旗振り役となってDXの実現を目指しています。

技術的にもコスト的にもまだまだ前途多難な挑戦ですが、弊社でもこの取り組みに力を入れるべく、2021年よりICT活用工事を開始しました。また、ウェアラブルカメラによる遠隔臨場やドローンなど、着実に施工管理業務の効率化を進めています。さらに、弊社アスファルトプラントの全面的な建て替えに伴い、プラントのデジタル化・IT化を加速させ、土木職人の高齢化・人手不足問題を解消すべく、建設機械施工の遠隔化への挑戦も始めました。

しかし「DX」はあくまで手段であって目的ではありません。古き良き伝統を受け継ぎながら、多様な人材が一人ひとり創意工夫し、新たな改善を一つひとつ重ねていくことが重要になると考えています。
デジタル技術やデータを自在に操る組織づくりに取り組むとともに、DXを通じて持続可能な地域づくりに貢献してまいります。

代表取締役社長 加藤隆広

そもそも
DXって何?
What is DX?

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、デジタル技術を用いて、ビジネスを変革していくことを言います。皆さんの生活にも馴染みのある部分でいえば、店舗にキャッシュレス決済が導入されたり、デリバリーアプリやオンラインミーティングの普及、ChatGPTをはじめとするAIの活用などが挙げられますね。

こういった「デジタル技術の進歩」をうまく活かすことで、顧客が満足する品質の高い製品・サービスを提供していくことや、効率的で無駄のない働きやすい職場を実現していくというのが、当社の考えるDXです。

DXに関する
基本方針
DX Vision

当社は、一人ひとりの社員が生産性と創造性を高め、地域社会の課題解決と顧客満足度の更なる向上を図るとともに、働きやすい職場づくりを通じて、次世代の担い手を確保・育成していくことを中長期的な経営課題として位置付けています。

これらの課題に取り組むにあたって、当社は「デジタル」の力に着目しており、各事業領域におけるDXの主たる目的・方向性を以下のように定め、デジタル技術とデータの利活用を推進してまいります。

施工管理
施工品質向上と創意工夫を追求する
プラント
生産性向上と新たな付加価値を創造する
現場施工
土木職人の人手不足問題を解消する

デジタルの力で
叶えられる
3つのこと
themes

  • 01

    Construction Management

    施工管理業務の
    効率化

    あらゆるデジタルツールを活用して業務効率化と情報共有を促進し、施工品質向上や創意工夫に必要となるリソースを最大化します。

  • 02

    Asphalt Plant

    アスファルトプラントの
    変革

    アスファルト合材の受発注・製造出荷プロセスのデジタル化・IT化により、合材の品質や生産効率を改善するとともに、取引先企業に新たな購買体験を提供します。

  • 03

    Construction Work

    遠隔就労環境の
    構築

    遠隔化技術を用いて建設現場へのリモートアクセスや遠隔就労の環境を構築し、土木工事従事者の労働環境を抜本的に改善します。

デジタル戦略・
ロードマップ
strategy

施工管理業務の効率化

概要
様々なICT製品やWebアプリケーションの活用により、書類作成や写真整理等における煩雑な作業の負担軽減、集約化・分業化を進め、これらをテコに監理技術者が本来追求すべき施工品質の向上や創意工夫等の創造的業務に費やす時間を拡大します。
また、過去の施工事例や発注者からの指摘事項等をノウハウとして社内データベースに蓄積・共有することで、更なる品質向上を図ります。
KPI
顧客評価点
(公共工事の工事成績評定における評定点)
工事成績評定とは、「出来形及び出来ばえ」「創意工夫」など複数の項目から成り、顧客満足度を表す総合的な評価制度です。その評定点を指標として本戦略実施により生じた効果を評価します。

アスファルトプラントの変革

概要
アスファルトプラント/道路舗装業界に特化した受発注・生産・施工管理システムを開発・導入し、受注者/発注者ともに、インターネット環境さえあれば何時でも何処でも、そしてミスなく効率的に業務を遂行できる環境を構築します。
さらに、受発注データに基づく生産・品質管理の高度化や行政提出書類のWeb発行等により、製品・サービスの高付加価値化を図ります。
2024年度より発注アプリを取引先企業に順次展開し、発注者のアプリ利用を促進していきます。
KPI
発注アプリの利用率
(アプリ経由の発注件数/全発注件数)
本戦略の効果創出に向けては発注者側のアプリ利用が重要となるため、その利用率を指標として計画の進捗を評価します。

遠隔就労環境の構築

概要
最先端の通信ネットワーク技術やメカトロニクス技術を活用して、現場状況をリアルタイムに可視化し、建設機械施工の遠隔化(建設機械の遠隔操縦)の実現に挑みます。
あらゆる場所からリモートで就労可能な環境を構築することで、3K(きつい・汚い・危険)と揶揄される建設現場の働き方を改革し、現場移動・待ち時間等のムダの低減も図ります。
2024年度より技術実証を開始し、当社社員の技術習熟や現場への適用可能性を検証。公共工事における実運用を目指します。
KPI
技術成熟度・運用レベル
本戦略は今後技術実証・社会実装を図っていく段階の取り組みであるため、その技術成熟度を指標として計画の進捗を評価します。

推進体制 system

組織体制

新たな組織として「デジタル推進室」を設置し、各部門の業務に精通した人材を配置します。自社に適したデジタル活用施策や、現行プロセスの見直しも踏まえた検討を行い、月次のMR会議(マネジメント・レビュー)にて進捗を共有してまいります。
また、デジタル技術・ノウハウを有する外部企業やCTO人材との協業関係を構築し、開発時の設計・技術選定や実装工程をサポートいただきます。

体制図 体制図

▲ 体制図

デジタル推進室の機能

  • 現行業務の課題把握・分析
  • ICT製品/SaaSの導入検討
  • システムの設計・開発

人材の育成・確保

デジタルツールの開発・導入をアジャイル型で推進し、「習うより慣れよ」の方針でデジタルに精通した組織づくりに取り組みます。
市販ツール導入については、トライアル利用を積極的に実施することでトライ&エラーを重ね、システム開発については、現行業務の課題特定といった初期のフェーズから運用に至る一連のプロセスに当該業務を担う社員を関与させていきます。

環境整備

クラウド型のICT製品やWeb/モバイルアプリの利用を前提とし、自社開発のITシステムについても、クラウドサーバー/データベース/ノーコードツール等のクラウドサービスを活用することで、あらゆる場所から即座にアクセス・メンテナンスが可能な開発・運用環境を整備します。
また、建設機械の遠隔操縦に関しては、装置/通信/操縦席等の各要素技術を統合してシステムを構築していきます。
これらの実現に必要となるデジタル関連投資を積極的に行ってまいります。

その他の取り組み Other efforts

近年、脱炭素・資源循環に対する社会的要請の高まりや、局地的大雨などに伴う自然災害リスクの増加など、
“地域の守り手である地域建設企業”が取り組むべき新たな課題が顕在化してきています。
当社は、このような社会・環境変化への対応と、事業の持続的成長の両立を目指し、以下の取り組みを行っています。

  • 脱炭素・資源循環の促進

    アスファルト合材製造時のエネルギー使用量の低減や、道路工事現場より撤去されたアスファルト殻(がれき類)の再資源化・再生利用の拡大を通じて、当社プラントの省エネ・省資源化を図っています。

  • 地域防災力の強化

    RainTech(スタートアップ企業)や大学・研究機関との共創を通じて、IoT・AI(機械学習)等の先端技術を活用した地域気象・防災情報共有サービスの開発に取り組んでいます。